八本の尻尾を見せて生きる・・・・
あるブログで、最近、愚痴る人が少なくなった・・・という話題から、理由は人間関係の希薄さからか?と、オーナーのコメント。はっとした。
そうよね、愚痴るという事は、相手を信頼して居るからこそ出来る事・・・
ということは、愚痴らない人は、芯のところで、相手を信じていない。
相手たる私を信じていないのだ・・・!
ぼやいても良いけど、愚痴っては駄目、という人も居る。
ボヤキと愚痴は何処が決定的に違うかな?
ちょっとした悲しみや悩みは、グダグダと他人に聞いてもらいながら、解決策を見つけたり、どうにもならない、と、納得できたりする。
そんな類のボヤキや愚痴も【プラス思考で行こう・・】と一蹴されると、心の澱が拭われないだろうに。
もしかしたら、愚痴る自信が無い?解決しようとする自分への愛情さえ希薄かもしれない。
相手と自分への信頼・・それが無ければ、軽々に愚痴れない。
好きなエッセイスト、向田邦子さんの一節。九尾の狐より。
「・・・誰でも。秘密、かくしておきたい事や、心の暗部が有る。九つ位い有る。
八つは人に言っっても良い。それによって、より親しく心を割って付き合う仲になれる。
でも・・・残りの一つ、コレだけは絶対に、誰にも言えない、言わないことが有るはず。
無ければいけない。死ぬまで匿す一本の尻尾が。
そして、残りの八本は人目に晒すべき、
これが周囲に愛され、信頼関係を築く秘訣でも有る
・・・といったもの。
最近の摩訶不思議な、同時に、やりきれない事件の背景に【プラス思考】に押しつぶされている人々がいるのではないかなあ。。。
【プラス思考】・・マイナス面は考えない、言わない・・人に弱みを見せない・・愚痴るのは良くない?
どれだけの若者が孤独と劣等感に耐えているだろうか!
世間は、この言葉の持つ残酷さに、気付いているだろうか?